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2026-08-16

パル捕獲率完全解説:公式とシェイク判定のすべて

捕獲時のレティクルにはパーセントが表示されますが、実際の捕獲頻度と合わないと感じるプレイヤーは多いはず。理由は単純で、レティクルは独自の表示スケールを使っており、実際の投擲は完全な公式と3回のシェイク判定で処理されているからです。本記事ではこの仕組みを丸ごと解説します。公式は1.0のゲーム内部捕獲ロジックと照合済みなので、権威ある参考としてそのまま使えます。

本記事の全ルールを組み込んだ捕獲率計算ツールも用意してある。パルを選んでスライダーを動かすだけで、6 種類の状況における 10 種類のスフィアの正確な確率がわかる。

完全な公式

1 回の投擲の基礎捕獲確率 P は 4 ステップで計算される。

ステップ 1:レベル差 L

L = スフィアレベル + 捕獲力レベル × 0.5 + パッシブボーナス − 対象レベル
  • スフィアレベル:スフィアごとに固定された強度値。下の表を参照。
  • 捕獲力レベル:捕獵の石像による上昇値。1.0 では全 15 レベルで、1 レベルあたり +0.5 換算、最大 +7.5。
  • パッシブボーナス:パーティ内の特定パルのパートナースキルが提供する捕獲レベル。ニャンシーの「お手憑きネコ」は背面ボーナス発動時に最大 +5、モコチッチは凍り状態の対象に、ポポフィアは蔦で絡めとられた対象にも同種のボーナスがある。
  • 対象レベル:野生パルのレベル。レア(ひかる)パルはここで max(レベル − 5, 1) として計算される。
スフィアレベル値スフィアレベル値
パルスフィア7 レジェンドスフィア38
メガスフィア14 アルティメットスフィア44
ギガスフィア20 インフィニティスフィア50
テラスフィア27 ソルスフィア58
ウルトラスフィア33 エンシェントスフィア64

L の暗算は簡単だ。スフィアレベルに捕獲力の換算(2 レベルごとに +1)を足し、対象レベルを引く。符号だけでも、この遭遇がスフィアを投げる価値があるか見当がつく。3 つの例を挙げる。

状況L出だしの判断
Lv20 対象、ギガスフィア(20)+ 捕獲力 Lv10(+5)+5レベル差がプラスで好スタート
Lv45 対象、アルティメットスフィア(44)+ 捕獲力 Lv5(+2.5)+1.5かろうじてプラス。HP 削りと状態異常を合わせれば使える
Lv45 対象、ギガスフィア(20)+ 捕獲力 Lv5(+2.5)−22.5深くマイナスで、ほぼ無駄投げ

後の 2 行がこのあとの完全な計算例で使う状況だ。同じ Lv45 ジェッドランで L が −22.5 から +1.5 に動くと、確率は約 300 倍になる。L そのものはただの中間量で、これがどう確率に変わるかはステップ 2 で見る。

ステップ 2:レベル係数 nl

L ≥ 50:nl = 1
L ≤ −50:nl = 0
それ以外:nl = (L + 50) / 99

nl は L を 0 から 1 の間の係数へ換算する。グラフに描くと両端が上限で塞がったスロープになり、階段のような跳びはない。

00.250.500.751−50−250+25+50L(レベル差)レベル係数 nlギガスフィアの状況:L = −22.5 → nl = 0.278アルティメットスフィアの状況:L = +1.5 → nl = 0.520

スロープの中央部は直線で、L が 1 増えると約 0.01 増え、両端は ±50 で頭打ちになる。いくつか数値を挙げて感覚をつかもう。

Lnl立ち位置
−50 以下0レベル差が違いすぎて基礎確率は完全にゼロ。どんな状態異常でも救えない
−250.25スフィアとボーナスが対象に明らかに足りず、HP 削りと状態異常で強引に支えるしかない
00.51レベル値がちょうど対象レベルと相殺され、半分からスタート
+250.76合計レベル値が対象を 25 上回り、すでに高確率域に入っている
+50 以上1上限。これ以上のレベル差は追加の利益を生まない

このあとの完全な計算例と対応させると、ギガスフィアで Lv45 ジェッドランを狙うと L = −22.5 で nl はわずか 0.278、9 乗の圧縮を経ると確率はほぼゼロになる。アルティメットスフィアに替えると L は 1.5 とプラスに転じ、nl は 0.520 まで上がり、確率はすぐに使える範囲に入る。レベル差がプラス方向に少し動くたびに、その利益は後段の 9 乗で鋭く増幅される。これが「まず正しいスフィアを選ぶ」というコツの数学的な根源だ。

ステップ 3:HP 係数と形状関数

A = 1.3^(−HP%) × nl

A ≥ 0.5:P₀ = 1 − (2 − 2A)⁹ / 2
A < 0.5:P₀ = 256 × A⁹

A はレベル差(nl を経由)と残り HP を 1 つにまとめた強度値で、形状関数がそれを基礎確率 P₀ へ写像する。式だけでは直感にくいので、まずこの曲線を見てほしい。

025%50%75%100%00.250.500.751A(レベルと HP を合わせた総合強度)基礎確率 P₀接続点(0.5、0.5):両側で値も傾きも等しく、同じ滑らかな曲線を分割して書いたもの低域:256·A⁹(デッドゾーン)高域:1 − (2−2A)⁹/2(飽和域)

曲線は 3 つに分けて読む。

  • デッドゾーン(A < 0.35 程度):9 乗が小さい値を極端に平らに潰す。A = 0.3 では P₀ は約 0.5%、A = 0.263(ギガスフィアで Lv45 ジェッドランを狙う状況)では 0.15% しか残らない。この区間では HP 削りや状態異常の相対的な改善は悪くないが、母数が低すぎて実際にはほぼ無駄投げだ。
  • 急勾配(A ≈ 0.35 から 0.55):曲線が最も急な区間。A が 0.05 進むごとに確率は 2〜3 倍になる(A = 0.40 で 6.7%、0.45 で 19.4%、0.50 で 50%)。「投げる価値がある」と「ない」の実戦上の境界はここにあり、前述の計算例のアルティメットスフィア(A = 0.492)の着地点はまさに急勾配の中段で、43.6% に相当する。
  • 飽和域(A > 0.6):曲線はすぐに 100% の天井へ張り付く。A = 0.6 で 93%、A = 0.7 で 99.5%。この点を過ぎてレベル差を積んでも利益はほぼゼロに近い。温存した上位スフィアはもっと難しい対象に残しておこう。

分割そのものについて。2 つの式は A = 0.5 で厳密に等しく(どちらも 0.5)、傾きまで一致する(両側とも 9)。つまりこれは 2 つのルールの継ぎはぎではなく、同じ滑らかな曲線を分割して書いたものだ。低域は弱い投擲をきれいにゼロへ近づけ、高域は強い投擲を緩やかに 1 へ収束させ、接続点はまったく感じられない。

HP 項 1.3^(−HP%) は、満タン時の係数が 0.77 しかなく、残り 1 割まで削ると 0.97 まで上がることを意味する。役割は A を横軸に沿って左右へ平行移動させること。HP が低いほど A は右へ動き、急勾配と高確率域の奥へ進む。

ステップ 4:外側の乗数

P = P₀ × 状態係数 × 種族係数 × ワールド倍率
  • 状態係数:1 + 0.3 × 状態異常数 + 0.35 × 睡眠。毒、火傷、濡れ、凍り、感電、泥、蔦、暗闇の各状態異常は +0.3、睡眠は +0.35 で、線形に加算される。ゲーム内では状態異常の多くが排他で、同時に持てる元素状態異常は 1 種類のみ。毒だけが別の状態異常と共存でき、睡眠は独立フラグで動くため状態異常と枠を争わない点に注意したい。式上の累積上限は毒 + 状態異常 1 種 + 睡眠の合計 ×1.95 だが、実戦ではまず揃えられない。アクティブスキル、パートナースキル、アイテムのどれも睡眠を付与できず、自然に入眠した(多くは夜間の)対象にしか現れず、ダメージやスフィアからの脱出ですぐに目を覚ますからだ。現実に使えるのは 2 つの路線のどちらかだ。夜に満タン HP の睡眠中の対象へこっそり投げる(×1.35)か、正面戦闘で毒 + 状態異常 1 種(×1.6)か。
  • 種族係数:パルごとに固定の捕獲難易度係数を持っており、ゲームデータから直接読み取られる。モコロンやツッパニャンといった序盤のよく見るパルは 1.5、ジェッドランやゼノドランといったレジェンドパルは 1.0 だ。
  • ワールド倍率:カスタムサーバーの PalCaptureRate(捕獲確率倍率)設定。イージーで 2.0、ノーマルで 1.0、ハードで 0.8、調整範囲は 0.5 から 5。サーバー設定ツールを参照。

最終的な P は 0 から 1 の間にクランプされる。

3 回のシェイク判定:表示値がそのまま実値である理由

スフィアは着地後に 3 回シェイクし、各回は独立した判定で、通過率はそれぞれ次の通り。

1 回目:P^(4/9)、2 回目:P^(3/9)、3 回目:P^(2/9)

3 つの指数の合計はちょうど 1 なので、3 回すべて通過する総確率は P そのものになる。

P^(4/9) × P^(3/9) × P^(2/9) = P^1 = P

ネットで広く流れる「実効確率 = 表示値^(1/3)」という説は、3 回の判定確率が同じというもっともだが誤った仮定から来ている。実際には 3 つの判定ラインはそれぞれ異なり、その積は表示値と厳密に等しい。

もう 1 つ踏みやすい罠がある。ゲーム内のレティクルの数値は P そのものではない。レティクルは 2 回目のシェイクの単発通過率を取り、さらに 1 段階引き上げている(P^(1/3) をさらに 1.25 乗、合計で P^(5/12))。そのためレティクルは常に実際の確率より高めに出る。レティクルが 70% を示すとき、実際の P は約 44% しかない。正確な数値が必要なら、式または捕獲計算ツールの結果を優先してほしい。

具体的な数値を挙げよう。P = 43.6% のとき、3 回のシェイクはそれぞれ 69.1%、75.8%、83.1% で、掛け合わせると 43.6% に戻る。このときレティクルは約 70.8% を示す。

よく流れている 4 つの説

流れている説実際のところ
実効確率は表示値の立方根成り立たない。3 回のシェイクの指数の和は 1 で、総確率は表示値と厳密に等しい
背後からの不意打ちには捕獲ボーナスがある不意打ち可能な対象を背後から狙うと「背面ボーナス!」の表示が出るが、この表示自体は式に入らない。ただしパーティにニャンシーがいる場合、「お手憑きネコ」が背面ボーナスを最大 +5 の捕獲レベルへ変換して L に加える
複数の状態異常ボーナスは乗算される線形加算:1 + 0.3 × 状態異常数 + 0.35 × 睡眠。元素状態異常は排他で、実際の最大は毒 + 元素状態異常 1 種。×1.69 ではなく ×1.6
ボスには ×0.7 のコード上のペナルティがあるほぼ正しい。ボスの個体はより低い種族係数を持っており、通常版の約 ×0.7。ボス捕獲の見積もりにはこの割引を当てはめたい

レアパルの +5 と −5

レア(ひかる)パルは同種より 5 レベル高い状態でスポーンするが、式の計算上は逆に 5 レベル低いものとして扱われる。2 つの補正はちょうど打ち消し合うため、同じ遭遇の中では、ひかる個体が通常個体より捕まえにくいことはない。同レベルのひかる個体と通常個体を並べて比べれば、ひかる個体のほうがむしろわずかに易しい。

完全な計算例を解いてみる

対象:Lv45 ジェッドラン(種族係数 1.0)。HP を 2 割まで削り、捕獲力 Lv5(+2.5)、難易度ノーマル。

ギガスフィア(20)で投げる場合:L = 20 + 2.5 − 45 = −22.5、nl = 0.278、A = 1.3^(−0.2) × 0.278 = 0.263 で低域の分岐に入り、P = 256 × 0.263⁹ ≈ 0.15%。ほぼ無駄投げに等しい。

アルティメットスフィア(44)に替える場合:L = 1.5、nl = 0.520、A = 0.492、P ≈ 43.6%。同じパル、同じ HP で、スフィアを 1 段階上げるだけで確率は約 300 倍になる。

さらに対象を毒と感電にする場合:43.6% × 1.6 ≈ 69.8%。これが式の中の各乗数の実際の大きさだ。

計算ツールで確認する

捕獲率計算ツールには全 299 体のパルの種族係数と 10 種のスフィアのレベル値が組み込まれており、パルのレベル、残り HP、捕獲力、ワールド倍率、レア切替に対応している。各スフィアカードには、通常とボスの 2 種類のパルについて、標準・状態異常・睡眠の 3 つの状況における単発投擲の正確な確率がそのまま表示される。本記事を読んだあと計算ツールでいくつかスライダーを動かしてみれば、数の感覚はすぐに身につくはずだ。